☆ガリラヤ (2) <ガリラヤ湖、垂訓の丘、タブハ、カペナウム>
●ガリラヤ湖…ガリラヤ湖は、南北21km、東西12kmの淡水湖で、霞ヶ浦とほぼ同じくらいの広さである。北のヘルモン山に源を発するヨルダン川が流れ込み、そのヨルダン川はガリラヤ湖の南端から流れ出し死海に至る。シリア・アフリカ地溝帯の北部に位置し、湖面は海面より210mも低い。湖の周辺には温泉も噴出している。新約聖書には、この湖畔でイエス・キリストが数々の奇跡を行ったと記されている。
●垂訓の丘(祝福の山)…ガリラヤ湖の北西に位置する小高い丘。イエスが「八つの幸い」で有名な山上の垂訓を説いたといわれる場所で、フランシスコ修道会が1938年に建てた山上の垂訓教会がある。ガリラヤ湖の素晴らしい景色を見渡すことができる。
●タブハ…垂訓の丘のふもと、ガリラヤ湖畔の小さな村。パンと魚の奇跡の教会やペテロ首位権の教会がある。
●カペナウム…タブハの北東に位置する。イエス・キリストはここに住み、ガリラヤ地方の伝道の中心地としていた。また、イエスの12弟子の一人ペテロの家もここにあったという。近くには、3世紀頃のものと考えられるシナゴーグ(ユダヤ教会堂)の跡がある。
<ガリラヤ湖> 垂訓の丘より南方を望む。ガリラヤ湖畔には、イエス・キリストが奇跡を起こしたといわれる場所があちこちに点在している。またこの丘でイエスは12弟子を選んだと言われている。 |
|
<垂訓の丘> ガリラヤ湖を見下ろす丘の上に八角形のドームをもつ姿の美しい教会が建てられている。教会内部の壁には、8枚のステンドグラスがはめ込まれ、その1枚1枚にはイエスが唱えた「幸いなるかな、心の貧しき者。天の国はその人のものなり。」で始まる8つの句がラテン語で書かれている。 |
|
<タブハ> パンと魚の奇跡の教会。イエスが、5つのパンと2匹の魚を祝福して増やし5千人を満腹させたという奇跡を記念して、5世紀頃に建てられた。右の写真は、祭壇前の床の「5つのパンと2匹の魚」のモザイク。 |
|
<タブハ> ガリラヤ湖畔に立つペテロ首位権の教会。イエスが、漁師だったペテロとアンデレに「私について来なさい。あなたがたを人間をとる漁師にしてあげよう。」と言われた場所だとされる。祭壇にある岩(右の写真)は「メンザ・クリスティ」(キリストの食卓)と呼ばれる。復活したイエスが、ガリラヤ湖に帰って漁をしていた弟子たちに姿を現してパンをさいた場所と言われる。 |
|
<タブハ> ペテロ首位権の教会の前庭に立つイエスとペテロの像。 |
<ティベリア> ティベリアは、ガリラヤの西岸にあるこの地方の中心となる町。ホテルも多く建つ。湖の右奥はゴラン高原。朝その向こうにうっすらとレバノン、シリア国境にぞびえるヘルモン山を見ることができた。 |
<カペナウム> 3世紀頃のものと考えられるシナゴーグの跡。またこの近くで「ペテロの家」と呼ばれる遺跡が発見され、今はその上に現代的な教会が建てられている。 |
|
<ガリラヤ湖> ガリラヤ湖に生息する聖書にも出てくるセントピーターズフィッシュ(ペテロの魚)。湖畔のレストランでは、この魚のから揚げを食べさせてくれる。あっさりした白身魚で、しょうゆをかけるとけっこういける。 |
<ガリラヤ湖> ガリラヤ湖の遊覧船。2千年前にイエスや弟子たちが乗ったであろう木造の舟を再現している。 |
<ガリラヤ湖> 1986年に湖底の泥の中から発見された2千年前の舟。船体は長年水中にあったため発見当時は豆腐のようにブヨブヨであった。そこで壊れないように全体を発泡ポリウレタンで繭状に覆ったうえで水中から引き上げられた。現在は、キブツ・ゲノサレの記念館の中に展示されている。 |
|
<ガリラヤ湖> 遊覧船からの眺め。中央の木の茂った小高い丘が垂訓の丘。その左下の湖畔がタブハになり、パンと魚の奇跡の教会やペテロ首位権の教会が見える。 |