ホータン、ヤルカンド

●ホータン（和田）

6月22日（月）　ニヤ→ホータン

ニヤ（民豊県尼雅鎮）は、これと言って見るところのない小さな町である。かつて漢代に栄えた精絶国のニヤは、現在のニヤの北方120kmで砂漠に呑み込まれてしまっている。
この日から国道315号線（かつての西域南道）の旅。天気が良ければ崑崙山脈を左手に見ながら走るはずであったが、生憎の砂曇りで、ホータン（和田）まで約300km、大部分が荒涼としたゴビ灘の中をバスは走った。それでも途中いくつかのオアシスの町を通り抜け、ケリヤ河を渡った所には珍しく水田もあった。午後２時にホータン到着。
ホータンは、西域南道のオアシス都市で、于てん（「てん」は門構えに眞）国（紀元前３世紀～紀元後11世紀）の故地である。近年町の再開発が進み、昔のシルクロードの面影を見つけるのはむずかしくなっている。
ホテルで休憩した後、郊外にあるブザク村に出かけ、10世紀のイスラム教の聖人イマムサカズが眠る墓とモスクを見学した。その後ブザク村で夕方の買い物客で賑わうバザールを散策した。玉都大酒店泊。

西域南道もゴビ灘が続く。	ケリヤ河近くの水田
ホータンの繁華街	地下街もあった（ホータン）
ドライ・フルーツの店（干しブドウ、ナツメ、アーモンドなど）	果物の店（杏、桃、蟠桃、バナナなど）孫悟空も食べたと言う平べったい桃「蟠桃」（写真）
イマムサカズ・モスク（ブザク村）	イマムサカズの墓（ブザク村）
ナンの店（ブザク村）、ハエだかりがすごかった。	かき氷？の店（ブザク村）、左側の白い山が氷
シルクロードらしいポプラ並木（ブザク村）	ブザク村からの帰り道で物凄い砂嵐に出会った。

6月23日（火）　ホータン

ホータン滞在。午前は、まず新砂漠公路を北に少し走ってタクラマカン砂漠をラクダに乗って散策した。その後、ジア（吉雅）村のシルクの工房とホータン絨毯廠（じゅうたん工場）を見学した。ホータンの三大特産は、玉と絨毯、シルクだそうである。午後は、暑いのでホテルで休憩した後、夕方マリクワト故城の見学と、白玉河で玉（ぎょく）探し、そして市内に戻ってバザールを見て回った。
新砂漠公路は、アクス～ホータン間約420kmを結ぶ第２の砂漠縦断道路（通称「和阿公路」）で、2007年に開通した。道路の両脇には、格子状に芦を差し込み砂止めにしている。
マリクワト故城は、ホータンの南、白玉河左岸にある遺跡で、于てん国の夏の離宮があった場所とされている。現在は城壁や仏教寺院跡と考えられるものが残るのみで、地面には所々に陶器片が落ちていた。
本名をユルンカシュ河（玉龍喀什河）という白玉河は、崑崙山脈を水源としホータンの東を流れる。ホータンの北でカラカシュ河（墨玉河）と合流してホータン河となる。タクラマカン砂漠を縦断し、アクスの南でさらに他の河と合流しタリム河と名を変える。大きな石がころがる河原は大がかりな玉探しのために重機で掘り返されていて、大きな穴があちこちに開いていた。上質の玉を一つ見つければ数百万円にもなるという。私たちも一攫千金を夢見て挑戦してみたが．．．。

タクラマカン砂漠でラクダが待っていた。ラクダは二こぶなので乗りやすい。砂漠では絶えず細かい砂混じりの風が吹いているので、カメラには注意が必要である。	ラクダの隊列
タクラマカン砂漠	新砂漠公路河に近いので地中に水があるためか、潅木があちらこちらに生えていた。
シルク工房カマドで繭玉を煮込み、糸巻き機にかけて絹糸を繰っていく。	シルク工房糸を染めた後、ウイグルの紋様に織っていく。
マリクワト故城	ウイグル族の物売りの少女（マリクワト故城）
白玉河	白玉河の河原で玉探し
バザール（ホータン）ロバ車で運ばれてきた西瓜とハミ瓜	ウイグル帽の店（バザール）
ウイグル紋様の織物の店（バザール）	長もちの店（バザール）長もちはウイグル族の花嫁道具
ホータンの特産クルミ（バザール）ホテルの前の団結広場にはウイグル族の老人と毛沢東が握手している像がある（右写真）。この老人はケリヤの農夫コルバンさんで尊敬する毛沢東に会うためにロバ車で北京へ向かい、めでたくも会うことができたという。同様の像は、ケリヤの町にもある。右下の塔は高さ120mのホータン・タワー、現在未完成。	団結広場は市民の憩いの場、夜遅くまで家族連れで賑わっていた。

6月24日（水）　ホータン→ヤルカンド→カシュガル

国道315号線を一気にカシュガル（喀什）へ、相も変わらずのゴビ灘の中をバスは走った。晴れてはいるが崑崙山脈は見えない。昼食をとった葉城県でチベットへの道を分け、その後１時間ほど走ってヤルカンドに着いた。
ヤルカンド（莎車）は、西域南道のオアシス都市の一つで、漢代に西域最大の莎車王国の都城があった所。古くからの鍛冶屋街が残る旧市街を散策した。
カシュガルが近づくにつれて左手に雪を頂く山並みが見えてきた。もうパミール高原の山である。ダム湖が見えるとイエンギサル（英吉沙）が近い。この町は手作りナイフで有名で、300年の歴史があるとのこと、私も記念に小刀を購入した。
全部で520kmを走って20時過ぎにカシュガルに到着。色満賓館泊。

新蔵公路の分岐点（葉城）新蔵公路（国道219号線）はチベットまで2700kmの道、途中6300mの峠を越えて行く。	鍛冶屋（ヤルカンド）
イエンギサルのダム湖とパミールの山々	イエンギサルのナイフ

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