イーニン、昭蘇平原

●イーニン（伊寧）

6月15日（月）　イーニン

イーニン（伊寧）滞在。コルガス国境ゲート、恵遠城鐘鼓楼、イリ河大橋を観光した。
イーニンは、北と南を天山山脈にはさまれ、新疆ウイグル自治区の中では降水量が多く緑豊かな地域である。漢代の烏孫国の頃から長く遊牧騎馬民族の統治する所であった
1983年に開かれたコルガス国境ゲートは、イーニンの西90km、カザフスタンとの国境にある。最近、警備体制が厳重になったとのことで、ゲートや検問所には近づけなかった。代わりに、2012年開通予定の新検問所や国境線に沿って整備中の公園を見学できた。この日も快晴で、公園からはカザフスタンにまで伸びている天山山脈を一望することができた。
恵遠城は、1763年清の乾隆帝により置かれたイリ将軍府の中に築かれ、清代におけるイリ地区の中心地であった。アヘン戦争の責任を問われた林則徐はこの地に左遷された。鐘鼓楼に当時の姿がしのばれる。
イリ河は、天山山脈に源を発しカザフスタンのバルハシ湖に注ぐ全長1500kmの大河。中国の河川では珍しく西に向かって流れる。イリ河大橋は、1975年に完成し長さ300m。イーニンの町の南でこの河に架かる。

コルガス国境ゲート右の国際貿易中心（センター）の中には、カザフスタンの物品がを売る店が並んでいたが、暗くて閑散としていた。	国際貿易中心（コルガス）
国境のフェンス	コルガス国境ゲート
カザフスタンとの国境線（コルガス）天山山脈の山並み。横に伸びる緑のフェンスが中国側の国境線。
恵遠城鐘鼓楼	恵遠城鐘鼓楼の天井画
新旧のモスク（イーニン市内）	ラベンダーの花壇（イーニン市内）ラベンダーはイーニンの特産。近郊にはラベンダー畑がたくさんあるが、作りすぎで現在は生産調整中とのこと。
イリ河大橋夕暮れ時は家族連れやカップルでにぎわう。右の写真は夜の９時、まだ日が高い。	イリ河

●昭蘇平原

6月16日（火）　イーニン→トクス→昭蘇→トクス

今日は、昭蘇平原の観光。イーニンから南東に走ってイリ河を渡り、強風の中烏孫古塚を見学した。その後2000mほどの峠を越えてトクス（徳克斯）の町を通り抜け、今度は西に走り昭蘇へと向かった。
昭蘇は標高1700mの平原、まずは漢の武帝が「天馬」と言って褒め称えた汗血馬の厩舎を訪ね、次に遊牧風景の広がる草原の中にあるカザフ族のパオで昼食をとった後、草原石人を見学した。
トクスに戻って、八卦賓館泊。

烏孫古塚約2000年前の烏孫族の墓がイリ河両岸に点在する。地面が少し盛り上がっているだけなので、よく見ないと気づかない。	汗血馬厩舎の外の１頭。血のような汗を流して走ることから名付けられたという。一日に千里を走るとも言われている。
昭蘇平原昼食をとった観光用のパオ。パオは、遊牧民の移動式住居、中は思ったより広い。	花が咲き乱れる広大な昭蘇平原。はるか遠くに天山山脈の主脈が見える。
昭蘇平原	昭蘇平原カザフ族の家族。電源は太陽光発電。
昭蘇平原	エーデルワイスの仲間（昭蘇平原）
草原石人	草原石人石人は、墓標または自然神を表す石像と考えられている。左の写真の石人は、烏孫国の王子のもの。