第7日 6月3日(土) 晴れ
梅里雪山を背に来た道と同じ道を中甸へと戻る。名残を惜しんで振り返るとその梅里雪山の主峰がわずかな時間であったが雲の上に頂上を現してくれた。雲の上の真っ青な空に浮かぶ白い頂は眩いほどに神々しかった。本当に皆で祈った甲斐があった。再度4300mの峠を越える。この日は快晴で白茫雪山の峰々の展望も素晴らしかった。爽快な気分である。中甸・碧塔大酒店泊。
![]() ついに姿を見せた梅里雪山主峰 |
![]() 爽やかに晴れ上がった白茫雪山 |
第8日 6月4日(日) 曇り
午前:中甸から50kmのところにある高原湖・碧塔海(ビタハイ)自然保護区の観光に出かける。中国では湖のことを海と言う。駐車場のある場所が標高3700m、ここから木道を30分下る。この辺りはシャクナゲの原生地で、ピンクや白の花が満開であった。湖の真中にはお椀を伏せたような小さな島が浮かび、周りの森の中は冷杉という杉の木にサルオガセが無数にぶら下がって幻想的な景色を作っている。帰り(登り)は馬に乗り楽をしてしまった(25元)。上の駐車場からは、哈巴雪山を遠くに望むことができた。
昼食は道路の脇の草原で弁当を広げた。草原にはいろいろな花が咲いていたが、放牧地にもなっていてヤクの糞があちこちに落ちていた。弁当は、ジャムパン、ソーセージ、ゆで卵、りんごにミネラルウォーターという質素なものであったがとても満ち足りた食事であった。
午後:中甸に戻り、雲南省最大のチベット仏教寺院の松賛林寺を拝観する。壁に描かれた仏画の解説を聞いた後、聖水を受け頭を濡らす。最上階では活仏を拝んだ。チベット仏教では何でも左が先であるそうだ。お寺に入るのも左足から、聖水を受けるのも左手、マニ車を回すのは右回り(左から右へ)、そしてお寺を出るときは右足から。次に納怕海(ナパハイ)へ。ここは乾期の間は草原だが、雨期になると湖と化す。まだ雨期に入ったばかりで草原が広がりヤクが草を食んでいた。次にチベット族の民家を訪問する。人の居住する2階の居間兼食堂にはかまどが置かれ、仏間には偉い僧の写真が飾られていた。
夕食は別な民家でチベット料理を賞味する。まずは玄関で歓迎のしるしにカタという白い布を首にかけてもらった。料理はと言うと、ヤクの干し肉は美味しかったが、ドクダミの根は苦くて食べられなかった。
![]() 碧塔海、シャクナゲとサルオガセが名物 |
![]() 碧塔海、湖の真中に小さな島がある |
![]() 哈巴雪山の展望 |
![]() チベット仏教の松賛林寺 |
![]() 松賛林寺の壁に書かれた仏画 |
![]() 松賛林寺から望む中甸の町 |
![]() 納怕海はまだ草原 |
![]() チベット族の民家の仏間 |
第9日 6月5日(月) 晴れ
終日白水台の観光をする。白水台は中甸から100kmの距離にあり、名前のとおり山の斜面に沿って白い石灰岩が棚田を形作り、その上を透き通った水が流れる景勝地である。ちょうど四川省にある黄竜のミニ版という感じである。またここは、ナシ族の東巴文化発祥の地とも言われる。祭祀の址が残っていた。白い台地と農村の風景がマッチして爽やかな風景である。
中甸は松茸の産地としても知られ、日本にも輸出されているとのことである。山には松の木がたくさん生えていたが、まだシーズンには早いようであった。町では乾燥松茸が売られていたが思ったほど安くはなかった。
![]() 白水台、白さが眩しい |
![]() 白水台 、自然の造形美 |
第10日 6月6日(火) 晴れ
朝のフライトで昆明に戻る。今度は気圧が高くなったことを実感する。到着後花鳥市場を見学した。昆明市内では唯一7年前の記憶の残っている場所であった。午後は、昆明市街と昆明湖を望む断崖絶壁につくられた道教の寺院や石窟の西山龍門と、中腹の華亭寺を見学した。華亭寺の手長足長の五百羅漢はとてもユーモラスであった。夜はホテルでさよならパーティが開かれ、雲南の名物料理である過橋米線と天麻のスープを味わった。金龍飯店泊。
![]() 西山より昆明湖 |
![]() 西山龍門、絶壁にある |
第11日 6月7日(水) 晴れ
昆明空港15:10発のフライトで帰国の途につく。
今回の旅は、いわゆる辺境の地で、3000mを越える高所に実に6日間も滞在するという体力的にハードな旅であった。しかし天候や同行者に恵まれ、風景の美しさや雄大さはそれを補って余りあるものがあった。徳欽から先の道はチベットのラサまで続いているという。機会があればぜひ挑戦してみたい。