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― 昆明、麗江、中甸、徳欽 ― |
シャングリラ(香格里拉)とも言われる中国・雲南省の北部は、ヒマラヤ山脈の東の端にあたり、金沙江(長江)、瀾滄江(メコン川)、怒江(サルウィン川)というアジアを代表する3本の大河が山脈をはさんで南へと並行して流れている。この地域には数多くの少数民族が住み、独自の文化を継承している。 2000年初夏、ナシ族とチベット族の住む町や村を訪れその風俗に触れるとともに、彼らが聖なる山と崇める玉龍雪山と梅里雪山の大展望を楽しみながらその麓に咲く可憐な高山植物を愛でる旅に出た。 |
詳細地図![]() |
第1日 5月28日(日) 晴れ
13:50昆明空港着。昆明は雲南省の省都、別名春城と言う。緯度は低いが標高が1891mもあるため気候は常春である。気圧の低さを感じる。目薬のふたを開けたら中の液が飛び出した。7年ぶり2度目の昆明、昨年世界園芸博覧会が開催されたこともあり、空港ビルも新しくなって市内にも高層ビルが増えている。
専用バスにて大観楼公園へ。日差しが強く思っていたより暑く感じる。ブーゲンビリアの花が咲き、カラフルな傘で作ったアーチや天安門のオブジェが華やかさを演出していた。金龍飯店泊。
![]() 大観楼 |
![]() 大観楼から昆明湖と遠く西山 |
第2日 5月29日(月) 晴れ
朝のフライトで麗江へ飛ぶ。標高2400m。色づく小麦畑の中の道を麗江市内へ。途中玉龍雪山が見えるが頂上は雲の中。平地から見上げるとけっこう迫力がある。
午前:麗江には、東巴という独自の文化を育ててきた納西(ナシ)族という少数民族が多く住んでいる。まずは玉泉公園(黒龍潭公園)を散策し東巴文化博物館を見学する。池の中に玉龍雪山の伏流水が湧き出ている。5月初めにNHK
BSで中継していたその場所に自分がいる。昼食は古城酒楼でとる。鶏豌豆涼粉というコンニャクのような物質が変わった味だ。
午後:1997年に世界文化遺産に指定された麗江古城(旧市街)を散策する。街のあちこちを水路が走る。市民はこの水で野菜や魚を洗ったり洗濯に使ったり生活用水にしているので水はそれほど清くない。石畳の石がつるつるに光り歴史を感じる。山の中腹から見た瓦屋根の重なりが美しい(我が故郷である金沢の町に似ている)。街中は飲食店や漢方薬、土産店が多く、かなり観光地化が進んでいる。屋台で外観はお好み焼きに似た麗江バーバーを買って食べるが味は淡白だ。ハンコ石に自分の名前を東巴文字という象形文字で彫ってもらった(150元)。
今夜のホテルの格蘭大酒店は、麗江古城に近く観光に便利。ホテルのすぐ横を玉泉公園の池を源とする川が流れる。
![]() 玉泉公園 |
![]() 麗江古城の甍の波 (クリックすると拡大表示します) |
![]() しゃれたカフェでは雲南コーヒーを味わえる |
![]() 大石橋のたもとは洗濯場 |
![]() 古い家が建ち並ぶ |
![]() 昼間から雀卓を囲むナシ族のおばあさんたち |
第3日 5月30日(火) 晴れ
朝、玉龍雪山が全貌を現す。この山は厳しい天候やもろい地質のため未だに未踏峰である。
午前:麗江古城ととも世界文化遺産に指定された麗江近郊にある束河村と白沙村を訪れる。束河村は麗江古城と違って観光地ずれしておらず、昔ながらの農村のたたずまいを残している。1軒の農家の中を見せてもらうことができた。盆栽が置かれた中庭には刈り取られた菜種が山と積まれていた。白沙村では大宝積宮という寺院で有名な麗江壁画を見た。これは、仏教やチベット仏教、道教など異なった宗教が一つの絵にいっしょに描かれている珍しい壁画である。
2つの村の観光後、いよいよ玉龍雪山の懐へと進む。まずは標高3000mの高原・甘海子で昼食をとる。この草原には日本では見られない高山植物が今を盛りに咲き誇っていた。午後になって雨が落ちてきたがリフトに乗り約3200mの雲杉坪へ登った。ここは森に囲まれた草原で、晴れれば玉龍雪山を間近に望むことができる場所である。雨の中傘を差してリフトに乗ったがズボンまで濡れてしまった。
麗江の町に戻り山の上に聳える萬古楼という5層の楼閣に上がり麗江古城の家々を見下ろす。風が気持ち良い。
夕食は麗江名物の一つと言われる火鍋。しゃぶしゃぶのような鍋を使用した野菜やきのこ中心の料理である。夕食後は街中の東巴宮という劇場で納西古楽という伝統的な楽器の演奏や歌と踊りのショーを鑑賞した。
![]() 朝の玉龍雪山 |
![]() のどかな束河村 |
![]() 白沙村の大宝積宮 |
![]() 甘海子のお花畑 |
![]() 雨の雲杉坪 |
![]() 伝統ある納西古楽 |