3月23日(日)アジャンタ → アウランガーバード
早朝ブサヴァル駅到着、バスでアジャンタへ。午後アウランガーバードへ移動。
アジャンタ石窟寺院群(世界遺産):デカン高原を流れるワーグラー川がU字型に曲がる渓谷に連なる仏教石窟寺院(写真69、80)。前期のものは紀元前2〜1世紀にかけて掘られ、装飾がなく簡素な構造。5〜7世紀に掘られた後期の石窟には、優美な装飾模様の彫刻や絢爛な彩色壁画が見られる。石窟寺院は機能の面から、僧たちが起居したヴィハーラ(僧院)窟と、礼拝を行ったチャイティア(礼拝)窟に分けられる。アジャンタの石窟群は、千年もの間ジャングルの中に埋もれていたが、1819年にトラ狩りに来ていた英国の軍人ジョン・スミスが偶然に発見した。
第1窟:6世紀のヴィハーラ窟。有名な蓮華手菩薩は、法隆寺の金堂壁画の原型といわれる。仏堂をはさんで反対側には金剛手菩薩が描かれている(写真70、71、72)。
第2窟:5世紀のヴィハーラ窟。仏堂内の釈迦五尊像(写真73、74)。
第10窟:紀元前2〜1世紀のチャイティア窟。アジャンタで最古の窟。奥にストゥーパがある。列柱や側壁に壁画が残されている(写真75)。この石窟の前で蜂の大群の襲撃を受けた。
第19窟:5〜6世紀に造られたチャイティア窟。ファサードには馬蹄型の大きな窓(チャイティア窓)がある(写真76、77)。
第26窟:6世紀以降のチャイティア窟。インド最大(全長7m余り)の涅槃仏像。ストゥーパにも彫刻が施され前期(第10窟)のものとは対照的(写真78、79)。
3月24日(月)アウランガーバード → ムンバイ
午前エローラ観光。午後アウランガーバード観光。夜飛行機でムンバイへ移動。
ダウラターバード:エローラに向かう途中にある12世紀の砦の跡。左のミナレットはインドで2番目の高さ(1番はクトゥブ・ミナール)(写真81)。
エローラ石窟寺院群(世界遺産):デカン高原の岩山に穿かれた石窟寺院群。南から仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教の3つの宗教の寺院が並んでいる。建造時期は5〜11世紀。
第10窟:7世紀の仏教のチャイティア窟。高さ8mのストゥーパとその前には高さ5mの仏像が彫られている(写真83、84)。写真82は他の仏教窟。
第12窟:7〜8世紀に造営された3階建てのビルのような仏教ヴィハーラ窟。内壁には多くの仏像が彫られている(写真85、86、87)。
第16窟(カイラーサナータ寺院):インドで最大のヒンドゥー教の石彫寺院。驚くことに岩山を真上からツチとノミだけで掘り下げながら寺院全体を彫り出している。高さ35m、幅60m、奥行き90m、掘り出した岩の総量は20万トンともいわれる。8世紀に工事に着工し、完成までに1世紀以上も要している。建物だけでなく内部の細かな彫刻に至るまですべてのものが一枚岩から彫り出され、さらに寺院の周囲の岩壁にも回廊と石窟が掘られている。本殿の中央にはシヴァ神のシンボル「リンガ」が置かれている(写真88、89、90、91、92、93、94、95、96)。
第32、33窟:9世紀以降に造られたジャイナ教寺院(写真97、98)。第32窟は、カイラーサ寺院と同じ方法で岩を掘り出して造られている。
アウランガバード石窟群:町の北の山の中腹にある6〜7世紀に掘られた仏教窟(写真99)
ビービー・カ・マクバラー:17世紀のムガル帝国第6代皇帝アウラングゼーブの妃の霊廟。タージ・マハルを真似たが、より小規模で建物の大半は大理石ではなく漆喰で白く塗られている(写真100)。
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