2003年3月、米英のイラク侵攻の緊張が高まる中で、初めてのインドへと旅立った。戦争が現実となる中で、今回の旅は、インドの悠久の時の流れと独自の文化、厳しい自然と広大な国土、圧倒的な貧富差の中で生きる人々の生活力と生命力、そして何よりも平和のありがたさと尊さを強く感じた旅となった。 (詳細地図)
3月15日(土)成田 → デリー
3月16日(日)デリー → ジャイプール
午前デリー市内観光。昼食後ピンクシティと呼ばれるジャイプールへバスで移動。
ラージ・ガート:1948年マハトマ・ガンジーがテロに倒れた後荼毘に付された場所。黒大理石でできた慰霊碑は常に花が飾られている(写真1)。
ラクシュミー・ナラヤン寺院:1938年にビルラー財団により建てられたヒンドゥー教寺院(写真2)。
フマユーン廟(世界遺産):16世紀に建立されたムガル帝国第2代皇帝フマユーンの霊廟。赤い砂岩と白い大理石とのコンビネーションが美しい(写真3)。透かし彫りの施された窓から外光が差し込み荘厳な雰囲気が漂う(写真4)。
クトゥブ・ミナール複合建築群(世界遺産):インド最古とされるイスラム遺跡群。中心となるのは、12世紀にクトゥブディーン・アイバクによって建てられたクトゥブ・ミナールと呼ばれる高さ73mの記念塔(写真5)。第1層の壁面にはアラビア文字でコーランが刻まれている(写真6)。隣にあるインド初のモスクの中庭にはチャンドラヴァルマンの鉄柱が立っている。純度98%で4世紀から錆びずに立ち続けているとのこと(写真7)。
3月17日(月)ジャイプール滞在
アンベール城:ジャイプールの郊外の小高い丘の上に築かれた城砦(写真9、10)。麓から城までは象のタクシーに乗って上って行く(写真8、9)。16世紀から築城が始まり、壁や天井に無数の小さな鏡をちりばめた幻想的な鏡の間など数多くの部屋がある(写真11)。山の上に建つのはジャイガール要塞(写真12)。
シティ・パレス:18世紀にジャイ・シン2世が建設した宮殿。今でも建物の一部でマハラジャの子孫が生活をしている(写真14)。建物の一部は博物館になっていて、マハラジャが使っていた衣服や武器などが展示されている。ガンジス河の水を運んだ9000リットルは入るという大きな銀の水瓶もある(写真13)。
ジャンタル・マンタル:ジャイ・シン2世により建てられた天文台。巨大な日時計、天文観測装置などがあり、現在も使用できるという(写真15、16)。
風の宮殿(ハワー・マハル):18世紀にマハラジャ、プラタップ・シンによって造られた5階建てのピンク色の壮麗な建物である(写真17、20)。宮廷の女性たちが街の賑わいを見下ろせるようにとこのような形に造られたとか。また、建物の奥行きがとても浅く風通しがよいので風の宮殿と呼ばれるそうである(写真18、19)。
この日は新春を祝うホーリーの前日に催される象祭り。会場では顔から鼻の先まで極彩色に塗られた象の行進や象のかけっこ、象のポロ、民族舞踊などが行われた(写真20、21、22、23)。
3月18日(火)ジャイプール → アグラ
午前アグラへ移動。午後アグラ市内観光。
この日はインドの春の到来を祝うホーリーの日。人々は街頭で赤や緑の色粉や水を相手かまわずかけあってエキサイトする。観光客は外出の際に注意が必要。
タージ・マハル(世界遺産):ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが妻のムムターズ・マハルの死を悼み22年の歳月と莫大な費用をかけ建設した(写真25、26、29、30)。完成は1653年。靴を脱ぎ内部に入るとシャー・ジャハーンとムムターズ・マハルの棺(レプリカ)がある。白い大理石の壁には花や唐草模様の繊細なレリーフが刻まれており、これには宝石がちりばめられている(写真27、28)。
アグラ城(世界遺産):16世紀にムガル帝国第3代皇帝アクバルが築いた赤砂岩の広大な城砦(写真31、32、34)。ヤムナー川沿いにタージ・マハルを望むことができる(写真33、35)。
夕食は、インドを代表するセット・メニューのターリー。何種類かのカレー、サラダ、ヨーグルト、デザート、ライスやナン、が丸い大盆に載せられて一度に出てくる(写真36)。